医療VRの現在(活用法、事例、問題点、論文、企業、大学)

2019年2月14日... Event

現在大きく注目を浴びている、医療分野でのVR、AR、MRの導入・活用。
その中でもより導入・活用が早期に進んでいるVRの現在を、活用法、事例、問題点、どのような論文があるか、どのような企業、大学が関わっているかという視点でVR手術研修サービスを開発しているジョリーグッドがお伝えします。

 

■現在、医療でのVRの活用方法・事例

 

○国内での活用法、事例

 

・手術トレーニング
「医療、手術研修VR (ジョンソン&ジョンソン様との共同開発)」
https://gurujobvr.com/medical/
ジョリーグッドとジョンソンエンドジョンソンが共同開発をした手術研修VRです。
名医の手術をVRで撮影し、それをVR動画研修としてみることで、名医の手技を間近で没入体験でき効果の高い手術トレーニングが実施できます。
 

・手術サポート(シミュレーション、ナビゲーション)
「医療VRによるコミュニケーション革命 HoloEyesXR VR MR」
https://holoeyes.jp/
Holoeyes株式会社が提供するCGデータを元にVRで3次元的に体内を体験できるシステム

 

 

・疾患体験:統合失調症、薬物依存症、認知症
「統合失調症 幻聴をことばにして、みんなのものに|NHK VR」
https://www.nhk.or.jp/vr/heartnet/midoriman/
NHK VRが統合失調症、薬物依存症、認知症を体験するVR動画を公開しています。

 

 

○海外での活用法、事例

 

国内では現在(2019/2/14)、実際に活用が始まった事例となると非常に限られているのが現状ですが、海外では実際にVRが多くの医療現場で活用され始めています。
国内事例で挙げた、手術トレーニングや手術サポート、疾患体験の他に実際に治療(PTSD、うつ、各種恐怖症)や緩和ケア(幻肢痛、火傷などの症状の痛み、治療時の痛み)、リハビリなどに活用されています。
 

■医療でのVR導入によるメリット、解決される課題

 

医療にVRを導入することで得られるメリットはどういった分野に導入するかにもよって異なります。
手術トレーニングに関していえば圧倒的な没入感と臨場感からくるトレーニング効果の高さがメリットと言えます。また、編集により医療機器の画面だけ大きく表示するなど実際の動画を加工する事も可能で実際に横で見る以上に学習情報として多くのものを得られる可能性があります。
CGなどを用いて学習する際は実際に対象となる人体が必要ないというのも大きなメリット、解決される課題です。
基本的に現在まで使われてきたレントゲン写真やCT画像、MRI画像は3Dのものを一度2Dに変換し、医師が脳内で3Dに想像で変換して把握するというプロセスだったため非常に非効率的でした。
疾病体験、疾患体験などで利用される際も圧倒的なリアリティ、没入感で本当に自分が体験しているかのような錯覚に陥り体験者の記憶により強く残ることが大きなメリットです。

 

 

■医療でのVR活用の問題点

 

医療の問題解決に非常に有用と考えられるVRですが、国内ではようやく普及が始まった段階と言えます。
普及速度がなかなか加速しない原因、問題点は医療に精通したVR開発会社がそれほどなく、なかなか開発が進まない、VR特有のVR酔いを防ぐような高品質なVR動画、システムを開発できる会社が少ないといった点などが考えられます。

また、現状でいうとVR機器の大きさも圧倒的な普及に対しては問題点・ハードルと言えるのではないでしょうか。
この問題が多くのテック企業がより小型化したVR、AR機器を開発しおり徐々に小型化し導入ハードルが下がっていくと考えられます。

 

 

■医療VRに関する論文

 

医療×VRに関する論文も数多く出ています。
いくつかご紹介するのと、Google Scholarで検索する際に少し工夫をすると探しやすくなるのでそちらも合わせてご紹介します。
全周囲型VR装置を用いた遠隔手術環境の共有
医療現場に浸透するVR技術 小児医療現場におけるVR技術活用の取り組みと将来展望

 

Googleで「医療 VR 論文」と検索した際に出てくるリンク先のGoogle Scholarの検索結果や、Google Scholarで「医療 VR」と検索した際にはあまり関連した論文が精度よくは表示されません。
検索結果 : 医療 VR – Google Scholar
こういった場合、検索ワードにダブルクォーテーションをつけることにより、非常に精度が上がります。
検索結果 : “医療 VR” – Google Scholar
 

■医療VRに関連する企業(銘柄)

 

投資対象としても注目されている医療×VRの領域ですが、現在国内で関連する企業(銘柄)としては限られた数となっています。
リリースなどを元にピックアップ致しました。

 

ジョンソンエンドジョンソン株式会社
株式会社ジョリーグッド

「ジョリーグッド、5Gによる遠隔リアルタイム医療研修VRの実証実験を、ジョンソン・エンド・ジョンソン、NTTドコモと共同で開始!」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000020924.html

 

富士通株式会社

 

HoloEyes株式会社

 

ガデリウス・メディカル株式会社

 

■日本国内の医療VR・AR・MR、今後の市場規模

 

現在も急激に伸びている医療分野でのVR活用ですが、今後もますます速度を速めて普及・拡大すると予測されています。
市場規模は2021年に約153億円、2026年には約342億円となり、VR市場は医学教育、治療分野が市場を牽引すると考えられます。

 

医療VRに関する市場規模予測、キャプチャ

医療分野におけるVR・AR・MRの市場展望はいかに?市場調査が発表 | MoguraVR
https://www.moguravr.com/seed-planning-vr-ar-mr-report/

 

シード・プランニング 調査レポートページ
https://www.seedplanning.co.jp/press/2017/2017073101.html

■医療VRに取り組んでいる大学(国内)

 

企業との取り組みと合わせて大学でも医療分野でのVR、AR、MR、XRの研究が盛んに行われるようになっています。
いくつか抜粋して紹介します。

 

○東京工科大学 (https://www.teu.ac.jp/)
「戦略的教育プログラム | 医療保健学部 | 東京工科大学」
https://www.teu.ac.jp/gakubu/medical/clinic/strategic.html

 

○東京大学 (https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html)
「医用バーチャルリアリティ Medical Virtual Reality in Japan」
http://webpark1893.sakura.ne.jp/wp/researches/%E5%8C%BB%E7%94%A8%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3/

 

○岡山大学病院
○鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
○亀岡市立病院
○関西医科大学
○国際医療福祉大学三田病院
○東京医科歯科大学
○徳島大学
○広島大学大学院
○広島大学病院
HoloEyes株式会社リリースより「医療VRのHoloEyes株式会社が医療VRシステムで国内特許取得」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000026916.html
 

■混同される医療用語「VR」

 

上記記事の「医療VR」とは異なりますが、医療用語の中で「VR」と表現される略語がいくつかあるようです。
こちら検索の際などに混同しがちなりますので、参考までに記載します。

 

○換気予備率 Ventilation Resarve

 

○静脈還流(量)Venous Return

 

○ボリュームレンダリング法 Volume Rendering
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/keyword/1263.html

 

※この記事は株式会社ジョリーグッドより2019年2月14日に書かれた記事です。